『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』の書評

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作家兼IT企業役員の北野唯我氏が、古き日本型雇用の崩壊と、その代案の不在にある現代において、単なるうわべの「転職情報」ではなく、いつでも転職できるだけの「市場価値」を持つために必要な情報を見極める「思考の軸」を紹介する一冊。

転職する上で身につけるべき思考法が知りたい
・本当にやりたいことが見つからず、将来に漠然とした不安がある
自分の市場価値を測りたい

このような方におすすめの書籍です。


書籍の情報


書名:
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

著者:
北野 唯我

出版社:
ダイヤモンド社

発売日:
2018/6/20

ページ数:
224ページ

目次:(※開閉ボタンクリックで目次が表示されます)


はじめに「いつでも転職できる」の確信を持った人だけが、自由になれる

プロローグ  このままでいいわけがない。だけど……
 「漠然とした不安」の正体
  「元エリートサラリーマン」の末路
  転職に必要なのは、情報ではなく「思考法」である

第1章 仕事の「寿命」が尽きる前に、伸びる市場に身を晒せ
 「一生食える」を確保する4つのステップ

  STEP1 自分の「マーケットバリュー」を測る
   上司を見て働くか、マーケットを見て働くか
   マーケットバリュー① 技術資産
   マーケットバリュー② 人的資産
   マーケットバリュー③ 業界の生産性

  STEP2 今の仕事の「寿命」を知る
   仕事がなくなるサイクル
    「伸びている業界で働いたことがある」だけでバリューは高まる

  STEP3 強みが死ぬ前に、伸びる市場にピボットする
   「他人の作った船」に、自分の人生を預けるな
   成熟したマーケットに後乗りしても、確実にコモディティになる
   伸びるマーケットを見つける二つの方法
   才能は不平等だが、ポジショニングは平等だ

  STEP4 伸びる市場の中から、ベストな会社を見極める
   「働きやすさ」と「マーケットバリュー」、どちらをとるか?
   いいベンチャーを見極める三つのポイント
   転職エージェントには、面接後「どこが評価されなかったか」を聞け
   財務諸表だけで、企業の価値を見極めることはできない
   「中途で入るべき会社」と「新卒で入るべき会社」の違い

第2章 「転職は悪」は、努力を放棄した者の言い訳にすぎない
 「組織の論理」が人の心を殺すとき
  選択肢がないと、人は「小さな嘘」をつく
  「会社にとって本当に正しいこと」は何か
  会社を「居場所」と決めた瞬間、手段の目的化が起こる

第3章 あなたがいなくなっても、確実に会社は回る
 残される社員、ついてくるパートナーとどう向き合うか
  転職後期に生まれる「今の会社に残ってもいいかも」という迷い
  一緒に働いてきた仲間だからこその後押し
  パートナーへの相談は「共感」が命

第4章 仕事はいつから「楽しくないもの」になったのだろうか?
 心から納得のいく仕事を見つけるために必要なこと
  生きる「手段」としての仕事、「目的」としての仕事
  楽しくない仕事をする人間は結局、金に買われている
  ほとんどの人に、「やりたいこと」なんて必要ない
  仕事の楽しさは「緊張と緩和のバランス」が決める
  自分に「ラベル」を貼り、コモディティから脱出せよ
  仕事は大変で辛いものなんて、誰が決めたのだろうか?

おわりに



書籍の紹介


本書は、キャリアに悩んでいる人に向けて、作家兼IT企業役員の北野唯我氏が、いつでも転職できるだけの「市場価値」を持つために必要な情報を見極める「思考の軸」を紹介する書籍です。


転職の一歩を踏み出すとき「悩み」はつきものです。「自分には深い専門性がない」「今の生活水準は落としたくない」「特殊な才能はないけど、やっぱり活躍したい」「家族・後尾とは反対するだろうか」、モヤモヤは頭の中にいくらでも浮かんできます。


ですが、著者は「転職とはそもそも『特殊な病』」と表現しています。


それは私たちにとって、自分と同じ顔に生まれ、同じ場所で育ち、自分と同じ仕事をして、自分と同じ歳で結婚する人はいないからです。つまり顔も育ちも、性格も違うとすると、「完璧なロールモデル」を世の中で探したって、どこにも見当たらないのは当然であり、不安になって当たり前ということです。



誰もが働き方だけでなく、生き方にも影響を与える「仕事選び」は失敗したくありません。会社や仕事は世の中に山ほどあるけども、一発で「自分にピタッと合う会社」を見つけるのは至難の業です。


どうやって一生食べていくか?
どう自分のキャリアをつくっていくか?
自分の職業人生をどう設計していくか?


そしてこんな「本質的な悩み」が次々と浮かんできます。


ただし著者は、このような悩み、仕事選びに必要なのは知識でも情報でもなく、どう選べばいいかの判断基準、つまり「思考法」と記しています。


・私たちの市場価値の決まり方、そして自分の市場価値の測り方、高め方
・仕事のライフサイクル(仕事が生まれ、なくなるまでの構造)の理解
・これから伸びるマーケットを見つける方法
・転職先となる会社の見極め方
・being型とto be型、自分の型を踏まえた「心からやりたいこと」の探し方 …


このような思考法を通して、「一生食べていくための方法論」、20代から50代まで、仕事で食べていく上で必要なキャリアの考え方を得ることができます。


キャリアに悩んでいる方、転職活動を考えるもどう進めれば良いか迷っている方は、ぜひ本書を一度読んでみることをおすすめします。そしていつでも転職できるだけの「市場価値」を持つために必要な情報を見極める「思考の軸」を手に入れましょう。



ピックアップ(書籍から抜粋)


給料は、君が『 自分』 という商品を会社に売り、 会社がそれを買うから発生している。あくまで売り込んでいるのは君なんだ。君はたまたま今の会社を選んだだけで、会社は君をたまたま買っている。つまり、雇用とはひとつの『取引』なんだよ。マーケットバリューを理解するには、まず自分を商品として考えることだ

マーケットバリューは技術資産、人的資産、業界の生産性の三つの要素に分解できる。この三つを結んだ箱が大きいほど、給与の期待値は高く、小さいほど給与は低い。そして、 理想的なキャリアは少なくとも二つ以上が高い

転職を考える際にまずやるべきは、自分の仕事の棚卸しをすること。そのために自分の過去のレジュメを書くことだ。レジュメを書くことで、自分の『資産』を洗い出すことができるからな。

求人情報は世の中に山ほどある。パラパラ見るだけで一日が潰れるほどにな。そして結局わからなくなって転職のアドバイザーに話を聞き、言われるがままに受けてみる。こんなことが、毎日、何千、何万と繰り返されている。だが、それは結局、何も考えずに受けるのとほとんど変わりがない。 重要なのは、 先に論点を明確にすること。それが『働きやすさ』と『活躍の可能性』の二つだ。

『 辞められない』 という思い込みの檻の中に閉じ込められたら、 どんな人間も必ず自分に小さな嘘をつくことになる

いつ辞めてもいいや、と中途半端に向き合うんじゃない。選択肢を持ったうえで、対等な立場で相手と接するんだ。会社に対しても、友人に対しても同じことだ。選択肢を失った瞬間、仕事は窮屈になる。だから、君は食べていく力を身につけなければいけない。自信はそこからしか生まれない

いいか。 転職が悪だというのは、 新たな選択肢を手に入れる努力を放棄した人間が発明した、 姑息な言い訳にすぎない。人間には居場所を選ぶ権利がある。転職は『善』なんだよ。個人にとっても、社会にとっても

これからの時代にどんなやつが強いかわかるか? それは個人として『ラベル』を持っているやつだ。『ラベル』とは、自分だけのキャッチコピーのようなものだ。組織が、個人を守ってくれる時代は終わった。いつ会社から放り出されるかわからない。そのときにひとつでもいいから個人としての『ラベル』を持っていないと、君は完全なコモディティになる

社会からの目など、死ぬ間際になると本当にどうでもいいことだ。どこの学校を出た、どこの会社に勤めた、そんなものは死を間近にするとまったく無意味だ。君がまだそのことを考える段階にいないなら、変わる必要はない。だが、もしも、君がやりたいことの種を見つけ始めたのだとしたら、決してその小さな種を殺していはいけない。そのやりたいことを大きくしていくプロセスを大事にしろ」

世の中で最も恐ろしい言葉のひとつは、失敗という言葉だ。これほど定義が難しく、残酷な言葉はない。多くの成功者が言うように、最後さえ成功すれば、その途中の失敗も、すべては『必要だった』と言える。要は考え方次第なんだ。だが、その中でも『100%失敗を招く、唯一の条件』というものがある。それは 腹を括るべきタイミングで、 覚悟を決めきれなかったときだ

実践ポイント


・自分の市場価値を9つの質問から測る
・会社選びの三つの基準を意識し、転職先となる会社を見極める



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