ビジネスの現場でよく耳にするデータ分析の重要性。しかしデータ分析とは何か、どう活用すれば良いのかイメージが湧きにくいものです。今回はデータ分析の意味や役割、手順について、5ステップに分けて具体的に解説します。
特に以下のような悩みをお持ちの方は、本記事が解決の一助となれば嬉しいです。
・今後自身の業務でデータ分析を始める前に、考え方のベースを身につけたい
・分析ツールの使い方ではなく、分析手順の大枠を把握したい
Contents
はじめに
前回は「問題を分解する際の”切り口”」について解説しました。
今回はステップ4として、「必要な情報・データを収集する」をテーマに解説します。
要素の棚卸し
前回の記事では、問題の深堀りにはロジックツリーが有効であること、そしてツリーには主に次の種類があることを解説しました。
ロジックツリーの主な種類
問題の発生場所を特定するもの(全体と部分の包括関係で構成される)
・【What】要素分解ツリー
問題の根本原因・解決策を特定するもの(全体と部分の因果関係で構成される)
・【Why】原因究明ツリー
・【How】問題解決ツリー
.
そして要素分解を終えたら、仮説で出した要素に関してはデータを用いた検証が必要になります。
その際に様々な情報やデータを収集して、根拠ある問題の要因や解決策を導きます。
Webサイトにおける検証の場合は、主に「Googleアナリティクス」や「Adobeアナリティクス」等の分析ツールを活用することが多いです。
具体例を通して、収集する情報・データを確認するまでの大まかな流れを見ていきましょう。
まずは「問題」を明確にします。(詳細は以下記事をご覧ください)
問題
広告媒体Aからの申込み数が、対前月比で10%減少しているため、減少要因を明らかにしたい .
そして「原因究明ツリー」を活用し、減少要因を明らかにしていきます。
ツリーの先頭要素は「(広告による)申込数減少」と置きます。
先頭要素の原因を追求すべく、考えられる要素(原因)にブレイクダウンしたものが次の図です。
※分解要素の内容は仮で設定しているため割愛します
なぜを繰り返して5回は要素分解できれば、その中から要因の発見、改善に繋がる糸口が必ず見つかるかと思います。
情報・データを収集する
要素分解後、ここで初めて各要素の情報・データを見にいきます。
最初から闇雲にデータを眺めるだけでは、時間だけが経過し、筋の良い答えはなかなか出てきません。
このように問題を構造化することで、進むべき方向が明らかになるかと思います。
また今回の例では、問題の中に「対前月比で10%減少している」とあります。
そのため、各要素の対前月比の数値を確認し(申込み率は10%減少しているか等)、相対的に減少幅が大きい要素ほど「減少要因」と仮説立てられることができるでしょう。
以上で「必要な情報・データを収集する」の解説は終了です。
まとめ
ロジックツリーを通して要素分解・問題の深堀りをしてきました。
そして問題の要因と考えられる要素の発見のために、洗い出した各要素の数値を収集しました。
これまで一連の作業を通して、問題の根本的な要因が見えてくるかと思います。
ただし一点注意点があります。
そもそもデータが取得計測できていない等の場合は、まずそのような仕組みを準備することが必要です。
例えばWebサイト上の各種数値が必要な場合は、それがGoogleアナリティクス等で計測設定されていなければ数値は存在しないことになります。
求める対象に依りますが、取得できるものは事前に計測できる状態にしておくことが重要です。
おわりに
ここまで読んでくださりありがとうございます。
次のSTEP5では、「情報・データを分析し、改善に繋げる」をテーマに解説しています。
・自身の業務で何かしらのデータ分析を行うことになったが、取り掛かり方が分からない
・データ分析に興味があるが、ツールの使い方などではなく考え方の基本を学びたい
このような悩みをお持ちの方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。