『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』の書評

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戦略家・マーケターの盛岡毅氏が、個人も会社もビジネスで成功するためのカギである「マーケティング思考」、そして著者がP&GやUSJで働く中で体得してきた「キャリア・アップの秘訣」を伝える一冊。

・マーケティングの本質を学びたい
・戦略的思考を身に付けたい
・キャリアについて考える就活生や社会人

このような方におすすめの書籍です。


書籍の情報


書名:
USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

著者:
森岡 毅

出版社:
株式会社KADOKAWA

発売日:
2016/4/23

ページ数:
257ページ

目次:(※開閉ボタンクリックで目次が表示されます)


プロローグ USJがTDLを超えた日
第1章 USJの成功の秘密はマーケティングにあり
第2章 日本のほとんどの企業はマーケティングができていない
第3章 マーケティングの本質とは何か?
第4章 「戦略」を学ぼう
第5章 マーケティング・フレームワークを学ぼう
第6章 マーケティングが日本を救う!
第7章 私はどうやってマーケターになったのか?
第8章 マーケターに向いている人、いない人
第9章 キャリアはどうやって作るのか?
エピローグ 未来のマーケターの皆さんへ


書籍の紹介


本書は、マーケティングに必要な知識や心構え、そしてすべての人に通ずるキャリアの考え方などを、著者の実体験を元に解説する書籍です。


全体の流れとして、USJの成功事例を軸にしたマーケティングの重要性、日本企業が取り組むマーケティング活動の現状と問題提起、そしてマーケティングの本質や具体的な実践方法を、戦略的思考やマーケティング・フレームワークを提示しながら紹介されています。本書の後半は、著者の紆余曲折を経て現在に至る経歴や、マーケティングや日本の未来に対する著者の想いが記載されています。


本書の中で、「戦略的思考」は大きなテーマの一つとして示されています。


戦略的思考は、マーケティングを理解する上で必ず必要な思考です。
しかし、そもそも戦略とは何でしょうか。


著者は戦略を「何か達成したい目的を叶えるために、自分の持っている様々な資源を、何に集中するのか選ぶこと」と表しています。


私たちは日々生活の中で、常に「選択」をしています。


今日の仕事の優先順位を決めるとき。
プライベートの時間の過ごし方を決めるとき。
今年達成したい目標を決めるとき。


ただし、目的が明確ではない場合、または実行の手段が適切ではない場合などは、自分が目指す方向へは進めない結果となってしまうでしょう。本来投資すべき場所に、資源を配分できていないからです。


私たちの「資源」は限られています。
本書では「資源」に、主にビジネスの経営資源として「カネ、ヒト、モノ、情報、時間、知的財産」を挙げています。


まずは目的を明確にすることが重要です。
その上で、資源を何に集中するかを徹底的に考える。
それから、実行の手段はどうするか、どう戦うのかを検討する。


このような思考が正しい方向へ進む上で強力な武器となるのです。


本書では「マーケティング」の本質、戦略的思考の考え方など マーケティングを軸に、仕事に限らず誰もが身につけるべき思考方法と、その実践方法などを示しています。


「マーケティング」を学ぶ本として、必読書です。



ピックアップ(書籍から抜粋)


会社の進むべき方向を見極める頭脳としての存在、企業の軍師ともいうべき「マーケター」の最初にすべき最重要な役割は「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること。

マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。どうやって売れるようにするのかと言うと、消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにするのです。

「うちはしょうもない製品しかない」という言葉は、マーケターは決して口にしてはいけません。なぜなら消費者視点で優れた商品やサービスをちゃんと作らせることが、マーケティングの重大な使命の1つだからです。

「マーケターになるために最も大切なスキルは何ですか?」と聞かれれば、私は 脊髄反射で「戦略的思考能力を身につけること」と答えます。

とりあえず全部やろうとすることは、無意味に資源を分散させているだけの「戦略なき愚か者」のすること です。そこに戦略がなければ突出した成果などは望めないの

重要なことは、「目的→戦略→戦術」の順番で考える ことです。そのほうが効率が良いからです。 最初に目的を明確にすることが何よりも重要。戦略は目的達成のために存在するので、目的が変われば全ての戦略は(戦術も当然)やりなおしになります。

良いマーケターは、特定の商材に対しての消費者ニーズの理解に努めるだけでなく、底辺に流れる価値観や悩みはどんなことなのか、常日頃どんなことに関心を持っているのか、別の文脈ではどんな消費行動をとるのか、それはなぜなのか等、人としての総合的な質的理解に努めようとします。患部だけを診るのではなく、総合的な人体として病気を診ようとする医師の姿勢に似ています。

戦略的リーダーシップの強い人は、自分の業務に影響を及ぼす目的の設定に関与しようとするものですし、決定権がないにしても、降ってきた目的をより明確に再設定する提案や調整を行うものです。それが上位組織にとってもより良い目的設定であれば、提案は受け入れられるものです。そして、そういう戦略的リーダーシップに優れた人は、いずれ上位組織に上がっていくものなのです。

自分の行動を変えたいとき、あるいは部下に何らかの行動改善を促したいときに、行動だけをみるのではなく、その内側にあるスキルやマインドセットの階層をしっかりと洞察しなくてはいけません。「スキル」は足りているのか? それがないのに期待する「行動」は取れるものではありません。期待される行動を生み出すための土台となるスキル習得を目指すのです。スキルがなかなか獲得できないときは、必要なマインドセットができているかを疑わなくてはなりません。

マーケターにならなくても、マーケティング思考を持ってビジネスをすることはあなたを必ず成功に導きます。戦略的考え方、「大事なものを選んで集中すること」をできる限り日常に活かすこと です。

実践ポイント


・戦略的思考のクセをるけるために、毎日、3つの仕事の優先順位を検討する。
・上記を実施の上で、長期的視点として、年、半期、四半期、月、週も同様に検討する。(大きいところからの戦略の繋がりを意識する)



関連書籍


関連書籍として同じ著者による『苦しかったときの話をしようか』があります。


本書は、著者が大学生である娘さんに向けたメッセージがベースとなっている書籍です。

就職活動を控えるも進むべき道に悩む娘さんに向けて、著者が自身の経験を通じたアドバイスとして書き留めた内容が纏められています。

とは言え、自分の将来や仕事のことを考える際の「考え方」や、キャリア形成に関する本質的なメッセージが綴られており、キャリアに悩むすべての人に役立つ本質的な書籍です。


次の記事でご紹介していますので、よろしければご覧ください。



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最後までご覧いただきありがとうございました。